SWOT分析の事例集
3.SWOT分析の活用法
■SWOTのクロス分析による戦略オプションの抽出
SWOT分析の活用法として、SWOTのクロス分析による戦略オプションの抽出を紹介します。
SWOTのクロス分析とは、「強み」、「弱み」、「機会」、「脅威」を下図のようにクロスさせ対応すべき課題を抽出する手法で、戦略オプションとは戦略の選択肢のことをいいます。戦略策定の際、実行すべき戦略はこの戦略オプションの中から選択決定されることになります。
組み合わせ別の検討ポイントは以下のとおりです。
組み合わせ |
検討するポイント |
強み×機会 |
「強み」によって「機会」を最大限に活用するために取り組むべきことは何か? |
強み×脅威 |
「強み」によって「脅威」による悪影響を回避するために取り組むべきことは何か? |
弱み×機会 |
「弱み」によって「機会」を逃さないために取り組むべきことは何か? |
弱み×脅威 |
「弱み」と「脅威」により最悪の結果となることを回避するために取り組むべきことは何か? |
■戦略オプションの抽出方法
@下記の戦略オプション検討表を作成します。
【戦略オプション検討表】
A「機会」、「脅威」、「強み」、「弱み」の各セルにはSWOT分析の結果を記入し、「強み」には( )の数字、「弱み」には○の数字、「機会」には大文字アルファベット、「脅威」には小文字アルファベットをふります。
【戦略オプション検討表−SWOT記入済】
B作成した表および名刺サイズのカード(宛名ラベルやポストイットなど)をプロジェクトメンバー全員に配布し、個人作業で「強み×機会」、「強み×脅威」、「弱み×機会」、「弱み×脅威」の4項目をカードに記入してもらいます。ポイントはできるだけ多くの案を出すことです。
年次計画向けの戦略オプションならば短期的な案(結果が出るのが1年以内)を中心に、中期経営計画向けならば中長期的な案(結果が出るが1年超)を中心に記入するようにしてください。
なお、カードに記入する際は、何と何の組み合わせで案出されたのかわかるように「機会・脅威」のアルファベットと「強み・弱み」の数字を以下のように表示し、記入者のサインを入れてください。
A−(1)
全事業にインターネット・
マーケティングを導入する。
鈴木 |
C各メンバーが記入したカードを持ち寄ってプロジェクトミーティングを開きます。ホワイトボードか模造紙に戦略オプション検討表を作成し、メンバーが記入したカードを読み上げながら該当欄に貼っていきます。
Dカードを全て貼り終えたら、ホワイトボードか模造紙に以下の「戦略オプション分類表」を作成します。
【戦略オプション分類表】
Eメンバーで討議しながら、Cの「戦略オプション検討表」に貼ったカードを、「戦略オプション分類表」の該当箇所に貼り直していきます。貼り直しながら同じ内容のカードや、あるカードの手段になっているカードがあればまとめ、必要に応じてカード内容を書き換えていきます。
Fカードを全て貼り終えたら、内容をプロジェクトメンバー全員で共有化してください。これでSWOTのクロス分析による戦略オプションの抽出は終了です。
戦略オプションから戦略課題を策定する方法は、
中期経営計画策定マニュアルのP40「戦略課題の策定」に詳しく記述してあります。
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